2016年10月27日

【070】いぶこみシリーズ 「恩のやりとり」



大家好!

「いぶこみシリーズ」の第2回目です。
前回は「おごるか、おごられるか」の話をしました、そのやりとりで、「恩」が生まれます。おごられたら、「恩」を受け;次はおごって、「恩」を返します。


ただし、「恩」を返すタイミングは日中で違います。

こんなことがありました。
中国人留学生が日本人と郊外に遊びに行き、たくさん撮った写真を現像して日本人にあげました。もちろんお金なんか取りません。
翌日、日本人が「これ昨日のお礼」、そう言ってハンカチをあげました。
中国人は驚きました。「この人は私との関係を清算したいのでしょうか。それも一枚のハンカチで、私は嫌われているでしょうか」

なぜ、この中国人留学生がそう思うのでしょうか?
中国では、「恩を返す」のは、すぐに返すのではなく、しばらく時間をおいて、適当なタイミングで返します。
逆に、日本人は常に貸し借りなし、プラスマイナスゼロの状態で、心の平安を得ます。今日、お隣さんから「田舎から送ってきたから」とリンゴをもらえば、明日には「これ食べきれないから、よかったら」と何かをお返します。すくなくとも、何かをすぐに返したい気分に駆られます。

もう一つ、ハンカチを返したというのも問題です。中国人にとってハンカチとは涙と鼻水を拭くものです。あなたにはこれから悲しいことが訪れる。これを使って涙を拭きなさい,そんな意味合いがあるのです。ですからハンカチを贈り物にしません。



また、贈答についても、日中は違います。

日本は贈答を形式化しました。お中元があり、お歳暮があって、贈るに時期があります。贈るモノも、金額の下限、上限がほぼ決まっています。
さらに,日本には半返しの習慣があります、半返しされて中国人は驚きます。

中国は必要に応じて贈答します。大きな違いは,もらったものよりも大きく返すことです。例えば、結婚式で1000元をもらいました、次回友達に返すときに、ちょっと足して1200元を返します。プラスマイナスゼロはなくて、プラスにして返すのです。すると相手もまたプラスにして返しますから,ずっとこの関係が続くわけです。

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ご馳走になったその後、
食事をご馳走になって、中国人はその場で「今日はありがとう」とお礼を言います。日本人だと次に会った時「この間はご馳走様」ともう一度ぐらいお礼を言いますが、中国人はもう済んでいると考え言わないです。一つは他人行儀で水くさいからで(太见外了)、一つはまたご馳走してくださいと催促しているように取られるからです。


「恩のやりとり」、日本はすでに形式化され,常にプラマイゼロを目指しているので,かなり楽だと思います。
中国はあげる人のことやあげるタイミング、金額などいろいろ考えて贈り物をしますから、中国のほうが臨機応変,大変です。


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2016年10月21日

【069】いぶこみシリーズ 「おごるか おごられるか」



大家好!

今回から、「いぶこみシリーズ」が始まります。
「いぶこみ」、いわゆる異文化コミュニケーションのことですね。

最初の一回目はやはり、中国人にとって大事な「食」にまつわる話です。

中国で一つことわざがあります。“民以食为天”Mín yǐ shí wéi tiān.「民は食を以て天と為す」!
さらに、中国人同士での挨拶言葉は“你好”ではなく、“吃了吗?”Chīle ma? 、 “吃过了。”Chīguo le. などと言っています。
とにかく、中国人は食事に対して、とても敏感で大事にしています。


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以前、こんな経験をしました。
私は友達と会う約束をしたんですが、電話で「じゃ、11時半に会おう」といったら、即座に相手から「それはありがとうございます」と言われたことがあります。
もちろん「お昼をご馳走様」という意味です。会う時間を食事時に設定したら,そう決めたほうが奢るわけです。

またある時,中国に行き,ある会社で仕事の提案をしました。話が終わったのは11時40分頃でした。そこで「さよなら」と言って、会社を後にしたのですが,後で聞いたら、「それはダメだ、お昼どきなのに、飯も食べない、それは絶対見込みがない」。事実その通りでした。

また、昔、北京の「友誼賓館」という国営ホテルに住んでいたときのこと。専用タクシーがあり,それを使って、空港に人を迎えにゆくことになりました。13時半に到着するから、11時ごろ出たいという話をしたら、運転手さんは「そんな早く出る必要はない、1時間しかかからないから、12時半ぐらいに出れば間に合いますよ」。そう言われた。こっちは早く出て空港でゆっくり食事をしたいのです。そこでぽろっと12時台に出るんじゃ“没时间吃饭了。”Méi shíjiān chīfàn le.と言ったら、「おお,それもそうだな」とすぐにタクシーを出してくれました。食事の力です。

ビジネスの場合、日本だと「打ち上げ」と称して終了後にご飯を食べます。中国はまず先に飯を食べて、相手と親しくなります。仕事の前に親しくなって相手を理解しようとします。大事なことも「食事の場」で決まることが多いです。もし「まだ食事なし」なら、そのプロジェクトは見込みがないと知るべきですね。

最後は“买单”mǎidānの話。中国では「おごるか、おごられるか」が普通です、食事でも映画でも、たいていは誘ったほうがお金を出します。割り勘は基本的にありません。
勘定を払うとき、勘定書きを「俺が払う」と奪い合う風景もよく見られます。“不行不行,我来我来我来……”「ダメダメ、俺が払う」,まるで喧嘩をしているようです。

奢ってもらったら、奢られっぱなしということはありません。次の食事会をセットする口実となるわけです。こうして,奢り奢られという関係が続くわけです。
(若い女性同士では,割り勘=AA制も行われるようになってきたようです)


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2016年10月07日

【068】『日中辞典』(講談社)



『日中辞典』(講談社)

大家好!
今回は辞書を紹介しましょう、講談社の『日中辞典』です。
2006年発行、収録語数は7万6千語で、「例文8万」「全文ピンイン付き」や「日中辞典初の 2 色刷り」という特徴がありますが、とりわけ付録に「翻訳ルール46」および「全文検索できる CD‒ROM 版」付きという特色があります。

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最も特筆すべきは、本の中ほどに、
「翻訳ルール46」というページが挟み込まれており、日中翻訳のコツやルールを解説している点です。

例えば、ルールの一つ:
●でしゃばり量詞
これは日本語の文に「一つ」がないのに、それに当たる中国語の文には“(一)个”などの量詞が現れることがよくあるというものです。
例:
・我去买书。Wǒ qù mǎi běn shū.「ある本を買いたいです。」
・我去买书。Wǒ qù mǎi shū.「本を買いたいです。」

「だれか」「どこか」を用いた次の様な日本語の文があります。これを中国語にするときも,日本語にはない量詞を加えます。
例:
・「だれかに中国語を教えてほしい。」我想找人学汉语。Wǒ xiǎng zhǎo gè rén xué Hànyǔ.
・「どこかでお茶を飲みたい。」我们找地方喝茶吧。Wǒmen zhǎo gè dìfang hē chá ba.

他にも,日本語には動作の回数や時間量がないのに、中国語では動量詞が現れることがよくあります。
・「お父さんは私を叱った。」爸爸骂了我一顿。 Bàba màle wǒ yí dùn.



●「〜から」が “从…”にならぬとき
日本語に「〜から」があっても、次のような場合は中国語で“从…”を使いません。
1)動作主である時は“从”はつかない。
・「友達から手紙を送ってきた。」朋友给我寄了信。Wǒ péngyou gěi wǒ jìle xìn.
・「先生からの言葉を忘れない。」不会忘记老师说的话。Wǒ bú huì wàngjì lǎoshī shuō de huà.
・「家からモノが送られてきた」家里给我寄来东西了。Jiāli gěi wǒ jìlái dōngxi le。

2)それが動作行為であるなら“从”はつかない。
・「旅行から帰ってきた。」我旅行回来了。Wǒ lǚxíng huílai le.
・「留学から帰ってきた。」我留学回来了。Wǒ liúxué huílai le。
・「出張から帰ってきた。」出差回来了。Chūchāi huílái le.
 

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2つだけ紹介しましたが,このようなルールが1から46まであり、それが適用される例文には「R01」のような番号が振られていて、日本語から中国語に直すときにどのような翻訳ルールが用いられたのかが分かるようになっています。
この46のルール、作文のとき大いに役に立つ優れものですよ。



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